大人的恋愛事情
 
「うーん、どうかな? そこそこ強いかも」



「そうだな、あの日も飲んでたわりに酔ってなかったしな」



笑って言われて、嫌なことを思い出した。



そうなのよね、ホントたいして酔ってなかったのよね。



飲んではいたし、素面だったわけでもないけれど、やっぱり泥酔はしてなかった。



「藤井さんは?」



「それやめろよ、祥悟でいい」



「名前で呼び合うほどの関係だったっけ?」



「背中に3つ、太ももに1つ、わき腹にもあったな、後は……」



何かを思い出すように考えだす男に、うんざりして溜息をつく。



人のほくろの数なんて数えないでよっ。
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