大人的恋愛事情
 
どうしてわかるのよっ!



いちいち人の気分まで詮索しないでよね。



「誘ったのはそっちじゃない」



思わず隣を見てそう言うと、真っ直ぐにこちらを見ていた視線と合う。



やけに色気を醸し出す男が、ふっと笑って痛いところを突いてくる。



「裏読んで、逃げようとしてたのに?」



確かに……。



「なに、理由がそれならいけなかったわけ?」



「いや、別になんでもいい。飲めよ」



そう言いながら、私の焼酎を手に取り無造作に渡してくる。
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