大人的恋愛事情
 
制服のブラウスを手に取りながら、今日の段取りを考える。



去年の各部署の忘年会での領収書が結構あったのを思い出し、その整理に追われるのかと思うと……。



「気が付いたら繭いないし、結局私が大沢部長の相手する羽目になったんだから」



「そうなの? そんなの美貴ちゃんに任せとけばよかったのに」



「それがあの子上手い具合に酔っちゃって、あれ絶対演技よ。部長の相手するのが嫌なもんだから、気分が悪いから先帰るとか……」



「本当に気分が悪かったんですよ」



詩織の言葉を遮ってロッカールームに入って来るのは、同じ課の後輩の美貴(ミキ)ちゃん。
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