大人的恋愛事情
 
シャツの裾を無造作に掴み、膝立ちのまま欲情を隠すことなく甘く囁く。



欲しい快楽を求める事にあまり抵抗がないのは、誰もがそうだったりするのだろうか?



「繭」



見下ろす瞳が少し呆れたように見えるのは、気のせいなのかそうでもないのか。



それでもなんでも、自分の欲情を優先させようとする私は、羞恥が人より薄いのかもしれず。



「ここで?」



少し驚く藤井祥悟に迷うことなく頷くと、見下ろす黒い瞳が僅かに揺れた。



先ほどまでの強引さはなくなった男の手が、静かに髪に触れたかと思うと、次の瞬間には腕を掴まれ抱きすくめるように引き上げられる。



冷たいキッチンの台が腰に触れると、そのままそこに座らされた。
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