大人的恋愛事情
 
「寿司割烹か?」



裏入り口で待っていた男がコートの両ポケットに手を入れ、寒そうにしながら少し笑って聞いてくる。



そんな姿に、先ほどの緊張が少し解れた。



別にちゃんと仕事はしているし、社内メールだって勝手に流されるだけで、私が遊んでいるわけでも何でもない。



そう考えると、パーフェクト氷室に嫌味を言われる筋合いもなかったりして……。



「別にどこでもいい」



「じゃあ、なんで裏なんだ?」



なんでって聞かれても……。



昨日の夜まで一緒にいたためか、まったく違和感なく男の隣を歩く。
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