大人的恋愛事情
 
「裏だとマズかった?」



「別に」



「だったらいいじゃない。和香じゃなくていいから」



軽く返した私を、藤井祥悟がチラッと見る気配を感じた。



それっきり黙り込む男と、なんとなく向かうのは初めに行った寿司割烹。



和香が見えてきたところで、思わず足を止め藤井祥悟を見た。



「ホントどこでも……」



そう言った私を行き過ぎて振り返る男の顔は、少し不機嫌だったりして。



「隠すなよ」



隠す?



なにを?



そう思った私にさらに不機嫌な顔をする男。
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