大人的恋愛事情
とは思っても、このメールを圭も見るのだと思うと、少し後ろめたい気もしたりする。
そんな仕事終わりのロッカールームで、詩織が溜息を吐きながら私を見た。
「繭……、いいの?」
「なにが?」
「わかってるでしょ? 圭のことよ」
詩織のいつになく真剣な声に、着替えていた美貴ちゃんが下着姿のまま私に視線を向けてくる。
「だからそれがなに?」
真剣な視線を避けながら、軽く返すともう一度溜息を吐いた詩織が私服を手に取りながら呟く。
「もう許してあげたら?」
「許すもなにも、もう終わってること……」
「繭」