大人的恋愛事情
 
「入らないわよっ!」



「なんでだよ、前はよく一緒に入ってただろ?」



それはあくまでも付き合っている時の話で……。



そこまで考えて、ふと藤井祥悟とは、なんの躊躇いもなく一緒に入ったことを思い出した。



それこそ付き合っているわけでも何でもなかったのに。



そんなことを思い出して、また溜息が出ると、飲むのは止めたのか冷蔵庫にまだ開けていないビールを片付けながら呟いた。



「前は関係ねえか……」



そうよ関係ない。



前は前で、今は今なんだから。
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