大人的恋愛事情
 
舌に、呼吸に、時折立てられる歯、すべての圭に翻弄され、落ちて行くのはいつも私だったのを思い出した。



キスを放した圭が手も放すので逃げようとすると、空いた両手で服を脱がせてくる。



ボタンが留められたままのブラウスを捲られると頭が抜け、それが腕に絡まった。



自由にならない手に焦る私は、それを振りほどこうとするのに、絡まったブラウスを無造作に纏めて縛るように括られる。



強く縛られているわけでもないはずなのに、抜けだせない手は何故か自分自身と重なり。



いつだってそうだった。



圭といた4年9カ月もの長い時間は、いつも振り回されながらも抜けだせなくて……。
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