大人的恋愛事情
曖昧な私と詩織のやり取りに、メニューを元の位置に戻しながら、美貴ちゃんが呑気な声を出した。
「てか、いいですよね。繭さんってホントいい男に当たってますよ。私、村岡さんにあの声で囁かれたりしたら、彼氏には悪いけどちょっと揺らぎますよ」
どこまでも圭の声にやられているらしい美貴ちゃん。
そんな美貴ちゃんの微妙な発言に、昨日聞いた意地悪なのに私の快楽を引き出す声を一瞬思い出し、いよいよ視線を背けると抜け目なく察知した詩織が溜息を吐いた。
「なるほどね」
「なるほどって、何がですか?」
「そういうことなんだ」