大人的恋愛事情
「てか、ここってホント高いんですねっ! 見てくださいよ、会席料理のコースだと二万円超えて……」
「プロポーズされたからって、こんなに人目を避けないといけないわけ?」
完全に美貴ちゃんの声を無視して、向かいからそんなことを言って来る詩織に、いよいよ逃げられない。
メニューを私達に見せようとしていた美貴ちゃんも、詩織の言葉にその手を止めて私を見ていて……。
「そうよ、後ろめたいから」
諦めてそう言う私は、やっぱり視線を上げずにお茶をすする。
「なにが?」
「色々と……」
「色々って?」
「色々は色々よ……」