大人的恋愛事情
 
月曜の朝、相変わらず重い気分のまま出社すると、正面玄関で詩織と会う。



「おはよ」



「おはよう……」



どこまでも重い気分の私は、手堅い余裕の女の朝の挨拶すらが、眩しく見えて思わず視線を逸らす。



「いよいよ深刻みたいね」



「そう?」



「そうよ、なにその重い空気」



「そう?」



「休みどうしてたの?」



「別に」



「あんた暇なら、招待客のリストアップと宛名書き手伝ってよ」



「絶対嫌」



そこだけはキッパリ断る。
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