大人的恋愛事情
どうして私がそんなことしなきゃいけないわけ?
今一番そんなことをしたくないというのに、人の不幸が面白いらしい同僚は隣で笑ってさえいる。
「思ったんだけど」
「なに?」
「圭って私の結婚式呼ぶべき?」
追い打ちをかけるような言葉に、もはや返す気にもならない私は、その言葉を無視して正面玄関の自動ドアを通り抜ける。
そして向かいから歩いてくる、センスのいいグレーのスーツを着た人間に声を掛けられた。
「おはよう、佐野さん」
怖いくらいのオーラで、向かい合う私に声を掛けてくるのはパーフェクト氷室。
まだ出社時間だというのに、彼女には関係ないらしく、もうスッカリ仕事モードに入っている。