大人的恋愛事情
 
「さあ? でも社内一モテる男と、社内一、二を争う二人の男が、なんだかんだで適齢期の繭を取りあってるのが、少し嬉しいらしいよ」



「そうなの?」



思わず驚いて聞く私に、詩織が笑って答える。



「まあ、最初はそうでもなかったみたいだけど、これだけ逐一見せられると応援する気持ちがでてくるんじゃない?」



確かに本当に社内メールで何度も何度も流されたけど……。



「やっぱ女っていくら否定しても、どこかで歳を重ねることに抵抗あるしね」



まあ、それはそうだと思う。



別に私だっていつもそんなことばかり考えているわけでもないけれど、もうすぐ30を目の前にして、やっぱり焦りみたいなものがあるのは否定できない。
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