大人的恋愛事情
誰だってわざわざ遠回りを選んだりしない。
さすがに大人としてそんな馬鹿な選択をするのもどうかと。
何より藤井祥悟には完全に振られてるわけだし……。
そんなことを考えながらその週の祝日前の木曜日、仕事終わりに詩織と正面玄関を出ると表の歩道のガードレールに圭が凭れていた。
こちらを見ると、少し離れた距離でガードレールから腰を上げる圭は、明らかに私を待っていたらしく。
何となく詩織に視線を向けると、肩を軽く竦める。
「帰るね」
アッサリとそう言われて、ハッキリまだどうするのか決まってもいない私は、思わず詩織に縋る。
「待ってよ」