大人的恋愛事情
 
予約していたらしい料理の確認と、注がれる高級ワインに本当に驚く。



いったいなんなの?



よくわらない気分で、ボーイが離れて行くのを見送りながら声を出す。



「なんなの? 仕事帰りに来るようなとこじゃないじゃない」



思わず抗議するように言うと、向かいの席に座る圭が窓を見た。



そこに広がるのは都内の夜景。



店内の落とされた照明に、柔らかい圭の表情が揺れるのを見ながら、別れてからたった一年なのに見慣れていたはずの圭も大人になったのだと変なことを思った。



もちろんもう大人だし、こんな場所だからよりそう思えるのだろうけれど、それだけではない何かが圭の表情を大人に見せて。
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