大人的恋愛事情
「俺、繭に甘えてた」
静かに話だす圭が微かに笑う。
「どこかで繭は、俺だけしか見てないと思ってた」
「……」
「いつも俺の我が儘を聞いてくれて、世話をしてくれる繭に甘えてた」
「圭……」
「年上でもないのに、繭は俺を見捨てないと思ってた」
「……」
「だからあの時も、簡単に別れるなんて言えた気がする」
確かにどこまでも簡単に別れると言った圭。
窓に視線を向ける圭の瞳がキラキラと揺れるのを見つめながら、ここに来た意味を考える。