大人的恋愛事情
こんな風に無理やり呼び出されるより……。
「ふーん、そういうことしてなかったんだ。つーことは、マジで男はいないんだな」
熱いお茶を啜りながら、藤井祥悟が私を見た。
その視線は熱いのか冷めているのかよくわらなくて……。
近い距離の黒い瞳が真っ直ぐに私を見る。
片方の手をお茶から放し、隣の私に向かって伸ばしてくるので、それを避けるように顔を背けた。
「コラーゲンとかいいんじゃねえの?」
「なにそれ」
「肌、綺麗だぞ」
「そう? でも対策は万全にしておいて損はないしね」
「対策?」