大人的恋愛事情
 
こんな風に無理やり呼び出されるより……。



「ふーん、そういうことしてなかったんだ。つーことは、マジで男はいないんだな」



熱いお茶を啜りながら、藤井祥悟が私を見た。



その視線は熱いのか冷めているのかよくわらなくて……。



近い距離の黒い瞳が真っ直ぐに私を見る。



片方の手をお茶から放し、隣の私に向かって伸ばしてくるので、それを避けるように顔を背けた。



「コラーゲンとかいいんじゃねえの?」



「なにそれ」



「肌、綺麗だぞ」



「そう? でも対策は万全にしておいて損はないしね」



「対策?」
< 48 / 630 >

この作品をシェア

pagetop