大人的恋愛事情
「三十前の女は色々と忙しいのよ」
アッサリと言いながらお茶を飲むと藤井祥悟が笑う。
「忙しいついでに俺と付き合うとか……」
「ないから」
「即答かよ。そんなに嫌なのか? もしかして何か気にいらなかったか?」
「そう言われてみれば、ちょっと物足りなかったかもね」
この際、なんだって言うつもりでいると、またフッと笑う男が意地悪く囁いた。
「そのわりには、限界早かったよな」
痛いところを突かれてその顔を見ると、私を見ている視線と合う。
「言ったでしょ? 最近してなかったって。そっちも一度目は早かったけど?」