大人的恋愛事情
 
上がっていたテンションが一気に下がる気がしながらも、逃げるわけにもいかないので恐る恐る受話器を取って三番のボタンを押した。



「お電話代わりました……佐野です……」



声が震える気さえしながらも、氷室室長の怒りを受ける準備を整えていた私は次の瞬間首を傾げた。



『佐野さん、いい? 最初が肝心よ』



最初が肝心?



まったくもって意味不明な氷室室長の声は、相変わらず毅然としていてそれでいて綺麗な声。



「あの……」



『結婚がゴールじゃないわよ?』



そんなことを言うパーフェクト氷室。



結婚をするなということだろうか?
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