大人的恋愛事情
 
「早くっ……」



そんな言葉を発すると、静かにゆっくりと私に入って来る男が、困ったような声を出す。



「締まり過ぎだぞ」



「んっ……あぁ……」



「繭?」



「やぁぁ……」



「一緒に?」



そう聞かれて頷くと、要求に応えてくれる男が私の頬に手を添えて囁いた。



「言っとくけど、早えぞ」



そんなストレートな言葉に胸がキュッとなり、愛しさが溢れる私は、きっと身体も同じ反応をしているはず。



無意識に連動する心と身体に、それを察知する男が少し笑いながら低く優しい声を出した。



「俺も愛してる」
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