大人的恋愛事情
後ろ手にドアを閉めながら、小さなツインルームの明かりを点けると、先に入った繭がコートを脱ぎベッドに座りながら俺を見上げた。
「で? 先にシャワー?」
簡単にそう聞かれて少し笑う。
「いや、やっぱいい」
俺の言葉に首を傾げ、見上げる繭の潤んだ瞳が明りに揺れる。
「いいって?」
「しなくてもいいって事だ、寝たいなら寝てもいいし、もう少し飲んでもいい」
いくらなんでも酔った勢い的な事は違う気がしてそう言うと、瞳を潤ませる女が溜息を吐いた。
「なにそれ……寝たくもないし、もう飲む気分じゃないんだけど?」
呆れたような声を出して、座った姿勢のまま煩わしそうに髪を留めていた髪留めを外す。