大人的恋愛事情
 
僅かに開かれる唇は、確実に俺を誘っているはずで。



吸い寄せられるようにその唇に触れようと顔を寄せると、笑ってかわされる。



「シャワーが先」



「いいんじゃね?」



「え?」



かわされたキスを無理やり奪っても、たいして抵抗はされず。



軽くするだけのつもりだったキスに、俺自身が溺れ、深く浅くを繰り返す。



さすがに慣れた大人の女は、キスだけで俺の欲情を引き出してくる。



熱い舌に酔った勢いの欲情を絡めてくる繭。



誘ったのは俺だったはずなのに、誘われている気がするのは気のせいなのかそうでもないのか。



すぐ横にあるベッドにキスを繰り返しながら座ると、それに付いてくる繭が俺の肩を軽く押して倒す。



ベッドに沈む俺の身体を跨ぎ、一瞬離れる唇の距離をまた縮める。
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