大人的恋愛事情
 
テーブル前で座りながら、まだ立ったままの藤井祥悟を振り返ると困ったように笑っていて。



「言っとくけど、シスコンとかじゃねえからな」



「そうなの?」



少々疑わしい感じがするので、そう聞くとワイシャツのボタンを外しながら私を見おろす。



そんな何てことないはずの動きなのに、やけに色気ある仕草に見えるのは、きっと藤井祥悟だからで……。



「繭に会いたがってた。俺と二人兄妹だし、姉が出来る事が嬉しいみたいで、指輪買いに行った日からずっと会いたいって言ってる」



シャツのボタンをいくつか開けた藤井祥悟が、そんなことを言うのを聞きながら、酔っているせいなのかちょっと泣きそうになる。



だって幸せな気がして……。
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