大人的恋愛事情
 
本人はきっと何気なくしただろう仕草なのに、やけに色気ある今日の藤井祥悟に、少々酔っている私が欲情しないわけなく。



薄い唇にクリームの付く指先が、触れているのを見ながら、その指先になりたいなどと、わけのわからない事を思いだしたりして……。



その唇に視線が釘付けになる私を見て、呆れたように微かに笑う。



「誘ってんのか?」



そう言われて慌てて視線を外した。



自分の中の欲情を見透かされて、突然恥ずかしく思えて……。



「繭?」



「別にそんなんじゃない」



「そうか?」



「そうよ」



「だったらその潤んだ目で見ないでくれ」
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