大人的恋愛事情
その声にギクッとしながらも、動揺を隠し振り返ると、入社1年目のまだ新人の若い男が笑顔で立っていた。
「森君……」
こっそり帰るなんて卑怯なマネをしている後ろめたさから、どう言えばいいのか迷っていると、私より5つも若い森君が悪戯に笑う。
「俺も帰ろうと思って……」
「そうなの?」
「マズイですかね?」
苦笑いでそう聞かれても、私も同じことをしているので責めるなんてこと出来るはずもなく店を出ながら笑って返す。
「いいんじゃない? 休み明け部長に聞かれたら、気分が悪くなったって言っておけば大丈夫よ」