大人的恋愛事情
そんなことを言いながら、またホットサンドを口に入れる男は、絶対自分がいい男だとわかっているはず。
口にちょっと付くくらいのケチャップなど、たいして気にしないならしい。
「いいんじゃない?」
その声に視線を藤井祥悟から向かいに座る詩織に移すと、私を見て微かに笑っていて。
「そうかな、そうでもないけど?」
惚けるようにアッサリと返しながら、カツサンドに意識を向ける。
私が藤井祥悟を見ていたことを見ていた詩織。
いちいち抜け目なく見ないでよ。
「総務って忙しいのか?」