大人的恋愛事情
美貴ちゃんと詩織の呆れた言葉に、藤井祥悟が笑いながら私を見る。
「Sなのか?」
「違うわよ」
「そうだよな、そんな感じでもなかったよな」
なにを思い出してそんなこと言ってるのか……。
明るい開放的なカフェランチはビル内だけどテラスのようになっていて、それこそ四方八方からの視線が注がれる。
隣に座る男は、ホットサンドを片手に持ち、無造作にそれを口に入れる。
「ケチャップついてますよ」
向かいから美貴ちゃんがそう声を掛けると、カップのコーヒーを飲みながら軽く笑う。
「キリねえし」