大人的恋愛事情
その後、総務に戻ってもなんとなく上の空な私は、結局次の日の朝までその気分を引きずっていて。
「繭さん……。繭さんっ!」
隣からの美貴ちゃんの呼びかけに、慌てて我に返る。
「え、ごめんなに?」
「もう、どうしたんですか? 昨日からなんか変ですよ」
そう?
やっぱりそう思う?
「ごめん、なんだった?」
「2番に電話です、てか伝票落ちてますよ」
そう言われて、慌ててデスク下を見ると何枚かの領収書が落ちていた。