crocus

それでも、じゃあ試しに数日だけ…、と頼み込んでこなせば、昼食作りのために、主要な役割の誰かが欠けることがなくなって仕事の効率が良くなった。

そうしてオーナーから渋々、了承をもらったのだった。

「体調が悪い日は必ず言うのよ?無理しないで。若葉ちゃんは、大事な仲間なんだから」

そんなことをオーナーさんに、優しく抱き締められながら言われてしまって、目頭がブワッと熱くなった。

そうして、炊事洗濯係り兼住み込み従業員になった。単純にみんなの役に立てることが、居場所を作れることに思えて嬉しかった。

ただ、男性の下着を洗うことには、時間と経験を積まないと慣れそうもなかった。

時々、『YES!』とか『立ち入り禁止』なんていう意味深なプリントの下着を見つけては、1人羞恥心に駆られた。

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