恋ってよんでもいいですか?
手をつなぐことにさえ躊躇するわこちゃん


触れた唇は微かに震えた。


抱いた身体は固く強張り、顔に苦痛を浮かべた。


苦痛で歪んだ顔に少し男としての嬉しさみたいなものと、春樹への嫉妬心のようなものを感じた俺はわこちゃんに無理をさせたかもしれない。


それでも俺にしがみつき、受け入れ、一心に耐えるわこちゃんを何があっても大切にしようと心に誓った。


心の底から好きだと思った。


出会って2日、突然始まり、急速に深まった恋


深めたといった方が正しいのかもしれない。


俺は急いだ。


一秒でも早くわこちゃんにつけた傷を癒し、


わこちゃんの中にある春樹との辛い思い出を俺が塗り替えたかったんだ。
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