恋ってよんでもいいですか?
春樹くんとさくらさんの家は


高校時代、あたしが毎日利用していた駅の近くにあった。


繁華街から通り1本入るだけで閑静な住宅街が広がっている。


私達は近くのパーキングに駐車してそこから歩いて2人のマンションに向かった。


昨日からずっと緊張でやけに大きく聞こえる心音が


さらに音の大きさを増したように思う。


エントランスの前


鳴り響くそれを落ちつけようと左胸を摩っていると


隼人くんが私の手を引いて胸の中に抱き寄せてくれた。



「わこちゃん?大丈夫だから。落ち着こう」


胸に寄せた耳から伝わる隼人くんの鼓動は言葉通り


遅くも速くもない一定のリズムで打ち続けていた。
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