アイ・ドール
きっと、彼らなりに辛い現実に流されまいと必死に生きていた筈――――しかし、二人も私も、アリスの「奇策」に翻弄された――。
アリスのほぼ倍と3倍以上もこの世界に生存していた筈なのに、私も彼らも、アリスより「生きていない」感覚――。
うなだれ、憔悴している川井出と多田坂――私も土下座をするでもなく、途中からは成り行きをアリスに丸投げした――だからこそ、もうアリスから二人を解放し、私が締め括らなければならないのだ――。
メールを打ち続けるアリス――。
うなだれる二人――。
お気楽な音楽が流れる――。
「早く――早くぅ――」
わかっている――――うなだれつつも川井出と多田坂からは、私に対して自分達を救う決定打を早く打ってくれと、ただならぬ念が体から滲み出て、その時を待っているのが伝わる――。
「そうね――」
深く息を吹き、導き出した、たった一つの「正解」を――しかし、納得し得ない、悔しくもある解答を二人に放った――。
「それで――――幾らお支払いすれば、全てをなかった事にして頂けますか――」