アイ・ドール

「私に構わず、レコーディングを続けて下さい――」

 自分のせいで予定が遅れている事を詫びる。


「気にしないで万希子さん――それより、どうして辞めるなんて言うの――」



「私――お荷物だから――」


 震え、悔しさも滲ませた声で呟いた。


「ヴィーラヴに入った時から思っていたんです。舞さんも私を見てわかったでしょう――歌も踊りも上手じゃないですし、いえ、むしろ下手だと思います。地味で人気もない――詩織みたいに強くないですし――本当に私なんかが皆と一緒にいてもいいのかなって――」


「万希子さん――」



「もっと、私よりも才能のある人が入るべきだったんです――私、私が入ったばっかりに――」


 水晶の涙を流しながら、自分の存在を否定し続ける――私は万希子さんを抱き寄せた。



「何言ってるの――万希子さんは皆に頼られているじゃない。万希子さんは誰からも好かれ、愛されているのよ」



「私が――」


「そうよ。だから自信を持って――私も過去に色々あって悩み、苦しんだ時期があったの。でも、社長に必要とされて今こうして皆と仕事をしている――」



「――――」

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