マイティガード
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沸いたばかりのお湯が、メイドの手でゆっくり身体にかけられる。
「…っ、少し熱いんだけど…。」
そう言いつつも少女は大人しくバスタブに浸かっていた。
腰まである長い赤毛が水面に広がり、年頃の少女の白く綺麗な肌をうまく隠す。
「申し訳ありません、アネリお嬢様。
ただいま温(ぬる)めますわ。」
メイドの淡々とした口調にも慣れた様子で、アネリは気晴らしに窓の外に目をやる。
広々とした浴室にメイドと猫足バスタブとガラス張りのいくつもの窓。
中世の貴族の暮らしを思わせるけれど、あいにくアネリは流行にも電子機器にも慣れきった現代っ子。
彼女は今、山奥に建てた別荘で使用人達と一緒に、一週間の短い休暇をとっている。