マイティガード


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昼間から殺人事件が起こることを誰が予想していただろう。

それも、よりによって専属医師を……オドワイヤーを殺されるだなんて。


オドワイヤーは遺体袋に詰められ、担架で運び出されていく。
その様子を黙って見送る間も、アネリはただただ悲しげだ。
体調を回復させたらしいパーシバルは、彼女の肩を抱いて支えている。



「…警部、なぜオドワイヤー医師は殺害されたんでしょう。
これまでの二件はどちらも夜に行われていたのに…。」


マドック刑事が訊ねる。
が、トレイシー警部に分かるはずもない。復讐鬼の考えなどは。


「犯人は思わせぶりな予告状をよこしたが、何も夜に実行するとは書いてねぇ。
気が変わったんだろうな…。」


「……身勝手だ…っ。」


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