マイティガード


「…申し訳ございません…。
先生を、護ることができませんでした…。

犯人の正体は分かりません。
先生を狙撃してすぐ、森の中へ逃げてしまいました…。」


と思えば、また苦しげな顔に変わる。


オドワイヤーを護るどころか、みすみす犯人も逃がして。
これではアネリに合わせる顔がない。深く深く自分を責めた。

…そしてその理由を“アネリとの約束のため”にしてしまう自分がどうしようもなく卑怯に思えた。



「…パーシバル、」


が、アネリは彼の考えをすぐに察する。


「いいの。
あなたは悪くないわ。

無事でいてくれて良かった…。」


そう囁き、彼の大きな体に顔を埋める。


「…お嬢様………。」

パーシバルもまたアネリの体を、壊れ物を扱うように優しく抱きしめた。


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