マイティガード


受け止めた弾を床に捨てながら、


「額の貫通は予想外でしたが、意識していれば体の一部を硬化して弾を止めることなど簡単です。」


パーシバルは人間離れしすぎた持論を述べる。

規格外だ。どこまでも。



「…クソッ…!!」


マドックは諦めたように銃を床に投げ捨て、代わりに懐から黒いものを取り出す。

小さなパイナップルのような形。

細いストッパーが付いているそれが、リトル・レッド社でも幅広く手掛けている“手榴弾”だということに気付く。


「死ね…っ!!」


マドックは歯でストッパーを引き抜き、手榴弾を二人目掛けて投げつけた。



「………く…!!」

パーシバルは狼狽える。

避けるのは簡単だ。
だが自分の身が護れたとしても、背後にいるアネリを護ることはできない。それは論外だ。



3秒もない一瞬の時間で考えをめぐらせた結果、


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