マイティガード
「恐らく水面ぎりぎりの位置に、身体を麻痺させる毒が塗られていたのでしょう。
目的はお嬢様を溺死させること。毒で直接死んだのでは事故死に見せかけられませんから。」
まだ微かに震えるアネリの背中に優しく触れながら、パーシバルは淡々と言う。
「…ゲホッ、えっ、ごほっ…!」
激しく咳込むアネリ。
しかし彼女もそうとう肝が据わっているのか、少し気を落ち着かせただけで、
「…ごほっ……、ひどいことするのねまったく…許せない…。
犯人、捕まえるの手伝って。最悪殺しても構わないから。」
目をきりっと吊り上げ、子供が物をねだる時と同じ声色でパーシバルに命令した。