・+◇【短編】White love letter
「ねぇ、葉月。」
『ん?』
私は春星を見上げているあなたに言いました。
「葉月、今日誕生日なんでしょ?」
『な‥んで知ってんの?』
あなたはすっかり驚いていましたね。
「看護士さんから聞いたの♪」
私ははい、とプレゼントをあなたに渡しました。
「誕生日おめでとう(^^)」
私があなたにあげた物は
アンクレットでした。
ネックレスやブレスレットだと治療の邪魔になるので
それ以外で身につけられる物にしようと思ったからです。
『小春‥これ、俺のために?』
「当たり前じゃん♪」
あなたははらはらと涙を流していましたね。
きっと誕生日を
誰かに祝ってもらうことも
久しぶりだったのでしょう。
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