その妖、危険につき
その拾いもの、危険につき

この上なく厄介なものを拾ってしまったらしい。気づいたときには、もうどうにもならなかったけど。



運命を変えた、その日――。





学校から帰ってきてマンションに入ろうとしたら、隅に黒い影が動くのを視界の端で捉えた。不思議に思いながら近づくと、人が倒れていた。

「きゃあ!」


私は驚いて尻もちをついた。なぜならその人は、血まみれだったからだ。かなりの量の血がお腹のあたりから流れているのが、暗がりの中でもわかった。
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