SECRET×CROSS
すると姉は私の手をギュッと
握りしめた。
「昔の私と今の亜希なんだか似てるでしょ?
亜希だって、いつも明るいっていう
訳でもないし、全然自分を
アピールしていないところあるでしょう?」
確かに…。
私は見た目が地味なせいで、
周りの空気についていけないところもある。
自分はこういうのが好きだと
ちゃんと言ったこともない。
あまり人と話そうとしない。
でもみんなと仲良くしたいと
思うことはいっぱいある。
それでもできない原因。
それは姉と同じく
『勇気』と『自信』がないからかもしれない。
今の私と昔の姉はリンクしていたんだ。
「私はね…。まだちゃんと
変わっていないけど
少しずつ変わっている気がするんだ。
今の亜希を見ると、
このままでいいのかって心配するんだ。
それに、編集長が才能を持っている
って言ってくれたじゃない。
もったいない気がするよ。
それを使わないなんて。
だから、私は
亜希にモデルになってほしいな」
姉の言葉はちゃんと私の心に届いた。
話を聞いて何だか心のモヤモヤが
消えた感じがした。
私…本当にできるのかな?
もちろん不安だらけだ。
でも姉も苦労した。
人間誰でも苦労して努力して
立派な生活を送ってるもんね。