好きで、好きで、好きで、私が私じゃ、無くなる。〔完〕


帰りの電車のことは覚えていない。


ただ何となく、行きと同じはずの景色を眺めていたことは記憶にある。


家に帰ると、幸いにもママが出掛けて留守だった。

大きすぎる家の中は、不気味なほど静かだった。




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