あの子の好きな子


「え?なになに?」
「健人まじかよ!」

健人の人柄だ。みんなどこか面白がって話を聞いて、協力的に接してくれる。私が同じことをしても、こんな風になったかな?微妙な雰囲気になってしまうんじゃないだろうか?その場面を想像すると、足がすくんだ。

「・・・健人」

絶対に聞こえないくらいのか細い声で健人を呼んだ。こんな風にかばってくれるなんて。まるで少女漫画のヒーローみたいなかっこいいこと、さらっとやってくれるなんて。

私がやったんだと言い出せない自分の弱さと、健人へのごめんねとありがとうが渦巻いて、私はもう一度小さく、健人とつぶやいた。



猫の一件に続いて、健人に助けられた。この胸が苦しくなる不思議な感覚は、うしろめたさか、感謝か、自己嫌悪か。

それから私は健人の姿を見ると、不思議に胸が痛くなる。私にとって健人が特別な存在になり始めたのは、この頃からだった。



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