君を護れるのは俺だけだって信じてるから【BL】
少しの間そう君を間に挟んで見つめあった。
そしてちょいちょいと手招きをされたので近づく。
兄ちゃんの前まで行くと、伸ばされた腕が俺を捕まえた。
覚えのある温かさに、何だかほっとした。
「…………本当、大事なんだよ」
兄ちゃんは俺をきつく抱きしめ、数秒後、呟くようにそう言ってから放した。
その顔は、さっきと変わらず眉が下がってはいるけれど、何かを迷っているようなそんな表情だ。
つられるように俺の眉も下がり気味になる。
そんな俺たちを、さっきとは反対にそう君が見ていた。
「そう、だよな。諦めちゃいけないよな」
うん。と頷いて、兄ちゃんはそう君に向き直った。
「ありがとう」
なんという事でしょう。
さっきまであんなに情けなさ気に下がっていた眉が、いつも通りに戻っています。
そして笑いながらお礼を言って、
続けてそう君を部屋から追い出した。
……何故?
疑問符を浮かべていると、追い出されたそう君がああ!と納得した声を上げる。
「そりゃな、恥ずいか。俺もう帰るね!」
そう言われ、俺も納得した。
いい歳した兄弟が抱き合うというのは傍から見て、見られて、楽しいもんでもないだろう。
でもそう君……そういや学校は?
まだ午前中だという事を忘れて本当に帰宅しそうなそう君に声をかけようとした。