夫婦ごっこ
急に 恒くんに会いたくなって私は
自転車をこいだ。


「恒くん…何時に帰ってくるのかな。」

信号待ちをしてると前さんの車が通り過ぎた。
千鶴さんは座っていなかった。


社宅の敷地に入ってきたら
千鶴さんがたっていた。


「こんにちわ……。」

千鶴さんは私の声が聞こえてないみたいに
ただ立っている。


  おかしいな……。


私はその横を通って部屋に戻った。
千鶴さんの様子が気になって 洗濯物を
片づけながらまだ立っている千鶴さんを見ていた。


そのうち千鶴さんは携帯を出して電話をし始めた。

後姿の肩が揺れている。


誰かと話しながら泣いているようだった。


  何かあったのかな

横通り過ぎた前さんも なんだか
今思えば横顔が冷たく見えた。


しばらくして千鶴さんは地下鉄の方に向かって
歩き出した。
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