夫婦ごっこ
「うわ…ごめん…俺のうつったんだな。
ヤバイよ。40度……病院行くか?」

恒くんがオロオロしてる。

「寝てたら治る……。」悪寒で歯が鳴る。

「明日…ビオンに会えるのに……。
俺もろくなことしないな。せっかくチケット用意して
調子乗ってたら 紅波にうつすんだからさ…。」


「いいよ…寒いよ・・・・。」

恒くんは自分の毛布を持ってきて私にかけた。

「とりあえずあったかくするか。」

朦朧とした意識の中で恒くんが あたふたと
動き回っている。


  うれしかった。

あったまった体に汗をたくさんかいた。
鉛のような体を起こして パジャマを探していると
恒くんが入ってきて

「どうした?」駆け寄る。

「汗かいたから…着替えるの……。
恥ずかしからあっちに行ってて。」

だけど体が言う事をきかない。
私はまたそこにうずくまった。


「ほら。」

恒くんが上手に私を裸にした。

「恥ずかしいよ・・・・。」

「なこと言ってる場合じゃないって。
ほんとに汗かいたな。少し熱さがったんじゃないか。」

いつのまにか 恒くんがつけた紅色の
キスマークは全て薄れて行った。


恒くんの指が体に触れるたびに意識が遠のく。

あの日の幸せな時間をボーっとする頭の中で
回想していた。

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