夫婦ごっこ
契約解除~恒くんSide~
車に小さな鍋と米を一号ビニールに入れて
持ってきた。

勇気を出して図々しいと思っていたけど
ミミさんの店に入る。

「あら すみません。もうランチ終わった……あら?」

「すみません紅波の夫の大浦と言います。」

ミミさんは一瞬眉をしかめたけど

「どうしたの?」と近づいてきた。

「図々しいって思ったんですけど 紅波がインフルエンザで……
そのまえに俺がなったときに美味しいお粥をたいてくれて…
ミミさんから教えてもらったって。
それで俺も紅波に食べさせてやりたくて…教えてもらえますか。」

「あら ベニーだいぶ悪いの?
薬はすぐ飲んだけど40度あって……明日ビオンくんの
イベントに参加しようとしてたのに…残念です。」

ミミさんに教わって初のお粥を作った。

「ね?ベニーにそんなに優しいのにどうして
別れるなんて言うの?」ストレートな質問


「え…あ まぁいろいろあって。」

まさかお宅の孫と愛し合ってるなんて言えない。

「あなたたちおかしいわよ。そっくりすぎて理解できない。
別れたくないって思ってない?」

図星をあてられておどおどする。

「紅波を…自由にしてやりたいんです。」

「自由って何よ。」

「紅波を幸せにしてやるのは俺じゃないんです。」


ミミさんはため息をついて

「わかんないわね。
同じ事考えててどつぼにはまってるのかしら。」

そう言うと俺にコーヒーを入れてくれた。
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