夫婦ごっこ
「ベニーは…あなたを愛してるわよ。
どうしてそれわからないの?あんなに大切にしてるのに
他の人を好きだって そう言う人が本当にいるの?」

「そうみたいです。」

「わからないな。ここで長くつとめてたけど
お客さんとも接点はなかったし。」


  お宅の孫だって……

そんなこと知ったらこのばぁさん
卒倒しちゃうよな。


その時だった。

「ミミちゃ~~ん ただいまさ~~ん、」


俺の視界に入ってきたのは ビオンだった。


「あ・・・・・。」思わず声をあげると

ビオンも
「あ・・・・。」と言った。

「足の具合はどうですか?紅波。」

「もう大丈夫です。あの時はお世話になりました。」


ビオンはまたいい男になっていた。

あの日思ったんだ。
どうして初めてをビオンにささげなかったんだろって


少しビオンに申し訳ないと思った。
あの夜の紅波がまだ 目に焼き付いている。


刺激的で 感動して
最高な時間だった………。

「今日はどうしたんですか?」

ビオンの声にハッとした。
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