夫婦ごっこ
「あのね 病気が治ったら…実家に帰ろうと思って。」
お粥を完食して紅波がボソッと言った。
「実家?何で?」
俺は驚いた。
「やっぱ 難しいの。うち高校もまともに出てないしね。
アルバイトくらいしかない
あってもなんかうさんくさいことばっかで……
両親にしばらく頭さげて向こうに帰ろうかなって…。
いつまでもここにいるわけにもいかないし。」
「いればいいじゃん。俺はいいよ。」
「そんなわけには……。とりあえず親に話してみる。
恒くんにも迷惑かけるけど…。」
「親にはなんて言うんだ。」
「好きな人ができて 別れることにしたって言うよ。」
紅波はニコニコしている。
「好きな人って……。」
「だってビオンと自由になれって恒くんが言ってくれたんだもん。
うち自由になるよ。だから恒くんが悪いわけじゃないから
でもきっとあれこれ聞かれると思うから
そのとおり 答えてね。」
自分が悪者になるつもりか?
どんだけ俺をバカにするんだ紅波……。
「ビオンには連絡してるの?」
一瞬戸惑った顔をしたけど
「向こうも忙しいからね。今日は行かないよ。
恒くんチケット買ってくれたのに…ごめんね。」
「連絡はとってるから安心して。」
嘘つきだな……。
「これからは日陰の身でしょ。ビオンがスターになるまで。」
紅波の嘘が悲しく俺に突き刺さった。
お粥を完食して紅波がボソッと言った。
「実家?何で?」
俺は驚いた。
「やっぱ 難しいの。うち高校もまともに出てないしね。
アルバイトくらいしかない
あってもなんかうさんくさいことばっかで……
両親にしばらく頭さげて向こうに帰ろうかなって…。
いつまでもここにいるわけにもいかないし。」
「いればいいじゃん。俺はいいよ。」
「そんなわけには……。とりあえず親に話してみる。
恒くんにも迷惑かけるけど…。」
「親にはなんて言うんだ。」
「好きな人ができて 別れることにしたって言うよ。」
紅波はニコニコしている。
「好きな人って……。」
「だってビオンと自由になれって恒くんが言ってくれたんだもん。
うち自由になるよ。だから恒くんが悪いわけじゃないから
でもきっとあれこれ聞かれると思うから
そのとおり 答えてね。」
自分が悪者になるつもりか?
どんだけ俺をバカにするんだ紅波……。
「ビオンには連絡してるの?」
一瞬戸惑った顔をしたけど
「向こうも忙しいからね。今日は行かないよ。
恒くんチケット買ってくれたのに…ごめんね。」
「連絡はとってるから安心して。」
嘘つきだな……。
「これからは日陰の身でしょ。ビオンがスターになるまで。」
紅波の嘘が悲しく俺に突き刺さった。